氷沙の気持ちが分からないわけでもない。 昨夜今にも泣き出しそうな顔で自分を睨んだ少女を思い浮かべて、空を仰ぐ。 2月の空は高く、透明な青色だ。 でも、 「……この坊ちゃんの気持ちも分からんでもないから厄介やねんなぁ」 「って坊ちゃんって俺のことかよ! ふざけんな楓!」