「うーん、まあ色々考えたんだけどやってみようと思う」
あれから事務所や山村さんと話し合いを重ねた結果、そういう答えにたどり着いた。
「そう。凛ちゃんも喜ぶよ!」
美紀はまるで自分のことのように嬉しそうに微笑んだ。
「それよりさ、美紀。そんなことしなくていいから」
散乱したテーブルの上を片付けている美紀を見る。
「だって汚いんだもん。気になる! これだから男の1人暮らしは…」
動きを止めない美紀を呆れながら見つめる。
「こういうのも有難いけど、でも」
俺は美紀が持ってきてくれた手作りのお惣菜の袋を持ち上げる。

