あの夜、浴衣姿の凛が微笑んだ瞬間を。 そして凛と俊介が気持ちを確かめ合うように、花火の下で手を繋いだ瞬間を。 それを見て俺は自分の恋心を認識させられることになったんだっけ。 俺は凛の後姿に、あの日の思い出を重ねていた。 そして凛の少し前を歩く俊介が立ち止まったことに気づく。 何かの屋台を興味深そうに覗いている。 立ち止まった俊介に追いついた凛。 2人はごくごく自然に話し始めた。 「…」 2人の会話は聞こえない。 だけどその姿はとても自然な、恋人同士のようだった。