凛のその言葉に、俺は車のスピードを落す。
凛の視線の先には屋台や浴衣姿の女の子達。
「七夕祭りみたいですよ」
そうか、忘れていたけど今日は7月7日。
七夕。
毎日バタバタしていたから季節感なんて全くなかった。
「そうか、今日七夕か」
俊介もきっと俺と同じ。
まあこの歳になると、七夕なんて忘れるよな…。
「お祭りなんて久しぶり。やっぱり日本はいいな~」
見入るようにお祭りの風景を見つめる凛。
俺は腕時計で時間を確認した。
まだ30分くらい時間に余裕があることを確認して、車を止める。
「…少し、寄ってく?」

