俺はそんな空気を打ち消すように口を開いた。
「で、でも驚いたな! まさか凛ちゃんがオーディション受けた映画が、小林監督の映画だったなんて!!」
動揺しすぎたせいか思いっきり声が裏返る。
「…私も。まさかSKYが主題歌なんて!嬉しいな」
凛も無理したように笑顔でそう言う。
「まだ話し受けた訳じゃないんだけどね」
「受けないわけにはいかないでしょ? あれじゃあ」
俊介がようやくそう口を開いた。
「断るタイミング、失ったな~」
「断る?」
凛が不思議そうに首を傾げる。
「そう。主題歌だけじゃなくて、音楽全般を俺が頼まれててさ。それはちょっと厳しいから」

