超溺愛ブラコン妹の彼氏

「お腹すいてない」

「んじゃ飲み物でも飲んでて傍にいて?行こ?」

「ヤダ!帰る!」

「だぁめ」

「帰らせて。皆に迷惑かかってるの。全部私のせい」
「今帰ったら紗輝ちゃんの負けだょ?」

「負けでいぃ。帰りたい」
そっかぁ…と何か考えている空那。

「舞桜ちゃんいいかなぁ、紗輝ちゃんをみててくれる?」

「何するの?」

「内緒♪」

私の教室に入って教卓の前に立つ空那。

『えっとぉ昨日妹に起こったトラブルについて知ってるかな?それについて一言。このクラスには多大なる迷惑をかけていると思う。それについては兄として謝ります。ごめんなさい。
でも妹をクラスの一員として思ってくれるなら、もし昨日のトラブルが自分だったらって考えてみて?歯をくいしばって時間がただ過ぎるのを辛抱して孤独に耐えてる妹の立場だったら?友達は舞桜ちゃんと違うクラスの萌夢君しかいなくて…寂しいょね。皆と違う格好してるしさ。でもずっとじゃないんだょ?少しの辛抱なんだょ?守ってあげようって気にならない?守る価値もない妹かなぁ?
ごめんね。1Aの皆さん。貴重なランチの時間をもらっちゃって。一言で終わらなかったし…。明日からも妹は来てもいいかな?温かい気持ちで受け入れてくれるかな?』

端から端まで見渡す空那。
頷く皆。

さっき私に意見した女の子まで頷き目には涙をためている。

『ありがとう。1Aの皆は優しいね。ランチから戻ったら優しく迎えてあげてね?妹の紗輝ちゃんを♪
じゃあね、明日も遊びに来ていい?』

「どぅぞ〜」

『サンキュー♪』

と出てきた空那。

1Aの教室は昼休みって事もあって他のクラスの子も押し寄せて、気が付いた時は物凄い人数の生徒が空那の話を聞いていた。