超溺愛ブラコン妹の彼氏

2人の周りの空気もおかしく見て見ぬふりしながら皆履き替え階段を上がって行く生徒達。

「美景。紗輝ちゃんのお兄さんだょ。2年生。迷惑かけたんだから謝りなよ」

「はぁ!?何で?俺だって被害者だろうが!?ココア飲めなかったんだょ?」

「あっそうだった。ごめんね。今出すから」

鞄の中から封筒を出し渡す。

「これで足りると思うんだけど迷惑かけた分も入ってるから」

ここで今日初めて美景君と目があった。

何故か見つめられて受け取ってくれないから左手で美景君の右手を持って封筒を握らせた。

「何で私服?」

「ココアの染みがとれなくてクリーニングに出したの。染み抜きに暫くかかるって言うから私服なの」

「あっごめん」

「美景、素直じゃん。昨日は紗輝ちゃんの事せめてたのに。空那先輩が怖くなったの?それとも紗輝ちゃんに惚れた?」

「へぇ。昨日と態度違うんだぁ。確かに俺が聞いてた話と違うはなぁ」

「もぅいいょ空那。渡すもん渡したし。後は私の制服が戻ればいいんだから。美景君も舞桜ちゃんと萌夢君と同中なの。仲が悪くなるような事しないで?」

「空那、美景はほっときゃいいょ。紗輝ちゃんの兄貴だとわかったんだから手出しはしねぇだろ、なぁ?」
枚輝君登場。

「紗輝ちゃんも困ったちゃんな顔になってるょ?」

「ごめんね紗輝ちゃん。昨日の事に触れすぎだね。行こっか?」

「うん、萌夢君またね」

その端に美景君の困ったような顔が見えた気がした。
「空那知ってたの?」

「情報網すごいっしょ?だから何かあったら必ず言うんだょ?」

「うん、わかった」

「空那のシスコン度すげぇな」

「大切な妹ですからねぇ」