すっごい幸せ!

「どぅしたぁ?何かニヤニヤしてない?キスしたいの?」

やだっ!?

まぁしたいょ?キス…

って違うでしょ!

あっ違わない!?

「あっのね?お兄達と一緒に寝るようになって…幸せ感じてたの。あっじゃない、るの!」

間違えちゃったょ…

過去形じゃ駄目じゃん…

「紗輝ちゃんは、いいょね?毎日俺か、空那かがそばにいて。俺はさぁ…今日は独り。寂しいと思わない?」

そう言う世那の瞳は沈んでいた。
あっそうかぁ…

私は独りしかいなくてお兄達は2人。

今は世那といるから空那が寂しい思いしてるのかな?

私は毎晩いい思いしてるのにお兄達はどちらかが辛い思いしてるんだ…

気付かなかった。

じゃあ…やめた方がいい?

「あぁごめん、紗輝ちゃん。そこまで悩むと思わなかった。ちょっと苛めただけなのに」

世那に包まれ背中をポンポンしてくれて

「たった一晩、紗輝ちゃんとふれあえないだけ。数時間、紗輝ちゃんを感じられないだけ。次の日になれば紗輝ちゃんに存分にふれられる。朝から苛めてごめんね?」
オデコにキスしてくれた。

「こんな事…やめた方がいい?独りで寝た方がいいんだょね?お兄達に迷惑かけてるんだょね?寝る前にみー君に電話して'お休み'ってしてもらってから寝るようにするからっ。あっそしたらみー君に迷惑がかかるんだ…。あっえっと…」

どうしたらいいかを考えていたら世那が大きな溜め息をついた。

「なにょ、その溜め息。そんなに嫌だった?私ってめんどくさい?そんなにお荷物になってた?私ばっかりいい思いしてって感じてるの?」

私の反論は止まることを知らず次から次に飛び出した。

朝からこんな事いいたくないのに…

でも…

世那の柔らかく優しい唇が私の唇を塞いでいた。

私の力が抜けるまで塞がれていた。

「今のは俺が悪かった。ちょっとした俺の意地悪だった。紗輝ちゃん直ぐヒートしちゃうんだもん。その事よぉくみー君に話しておかないとね?紗輝がこんな女だと思わなかったって逃げられちゃうもんな?」

私の頭をポンポンしながら言った世那の顔。

危なっかしい妹を愛しく大事に想う兄の顔