「なぁんか嫌らしい、その言い方」

不機嫌オーラを思いっきり出している空那登場。

「空那はたぁっぷり紗輝ちゃんエキスもらえたっしょ?」

チッと舌打ちしリビングへ行ったみたい。

紗輝ちゃんエキスなんて…

どんなエキス???

「はぁい完成♪」

鏡をみると'どこかのお嬢様!?'って思える私がいた。

私が言うのもなんだけどご令嬢スタイルって感じ?

何か…照れるな…

「鏡の自分にみとれるでしょ?儚く可憐なお姫様?ってテーマかなぁ今日のは。益々、紗輝ちゃんファンが増えるかもねっ♪」

世那の極上スマイルにつられて私も微笑んだ。

世那を思いっきり抱き締め

「ありがとう」

とお礼を述べ差し出された世那の頬にキスを落とした。

「こちらこそお礼のキス嬉しいょ。朝飯行こっか?」

「うん!!」

世那に肩を抱かれながらリビングへ行った。


「パパ、おはよう」

「あぁ紗輝ちゃん、おはよう。うぅん世那のテクニックは最強だね。紗輝ちゃんのいいとこを引き出してくれて。今日も一段と可愛いょ?」

「ありがとう、パパ」

パパも極上スマイルで微笑んでくれてダイニングテーブルに座った。

皆で美味しく朝食を食べた。

この時間ってバタバタするけど大好き。

雨が降ってても台風で風が吹き荒れてても一日が始まる最初の食事だし皆で迎える朝だから。


用意が終わり学校へ向かった。

お兄達は私の歩幅に合わせ歩き車道を歩いてくれる。

電車でも私を端にさせ他の乗客から見えないようにしてくれる。

そして'苦しくない?'って必ず声をかけてくれる。

この余韻に浸っていたいのに…

「紗輝ちゃん、おはよう」

現れたのは憎き郁斗先輩。

朝から爽やかな笑顔な桃色の生徒会長。

だけど私の大事な世那を奪おうとするから嫌い。

世那の腕に私の腕をガッシリ絡ませた。

そんな私の行動にビックリお目目な世那。

「おはようございます!郁斗先輩」

少しキツメに睨んでやった。

「そんな目でみないでもらえないかな?可愛いお顔が台無しだょ?」

「郁斗先輩に可愛く思われなくたって構いません。お兄達だけにわかってもらえれば充分です」