「悔しくねぇよ。紗輝ちゃんは誰にも渡さないから!」

「だなっ。紗輝は俺達のもん。はいっこれで、どお?ポニーテール。ふんわりっしょ?」

どこかのお嬢様みたいなクルクルポニーテールでメイクはナチュラル。

かっ可愛い。

自分で可愛いなんて…ナルシスト!?

やだ…

「紗輝ちゃん、可愛い。このままデート行きたい感じ」

空那まで…

「世那、可愛くしてくれて、ありがと。お礼のキスしたい、いい?」

「喜んで♪」

極上スマイルにクラクラしたけど踏ん張ってキスをした。

「ありがと、また明日ね♪」

その一部始終をみていた空那は不機嫌オーラがメラメラしていた。
「紗輝ちゃん、今日の夜からは俺が髪、乾かすからね?」

「あっ添い寝は俺だから。空那はしてたもんね?」

チッと舌打ちし出てってしまった。

その姿をみて私と世那はプッと吹き出しキッチンへ向かった。

「パパ、朝食の後片付けから復帰するから」

「ありがとう。無理しないようにね。可愛くしてもらったねぇ。若い頃のママみたい」

「そお!?」

「うん!食べちゃって?」

「はぁい♪」

朝食を食べお兄達と片付けをして学校へ向かった。


校門に生徒会メンバーが勢揃いして

'おはよう、紗輝ちゃん'

って迎えてくれた。

「おはようございます。昨日は最後に顔を見せられずすみませんでした」

「今、元気な顔見られたから、いいょ」

朝から爽やかスマイルの郁斗先輩。

他の皆も笑顔を向けてくれた。

その笑顔に安心した私だったけど下駄箱にいたみー君と目が合い…
歩みを止めてしまった。

私から笑顔も消えた。

「あっ紗輝!おはよう♪って元気ない?」

萌ちゃんが近づいてきて髪の毛を撫でられビクついてしまった。

その反応をみた萌ちゃんは戸惑っていた。

「萌夢君、朝から紗輝ちゃんに触れちゃだぁめ。紗輝ちゃんは売約済みっしょ♪」

実雷先輩、登場。

空那に目配せし萌ちゃんを遠ざけた。

その隙に空那に促され靴を履き替えた。

「萌ちゃんも駄目かぁ。益々、俺が必要だね、今の紗輝ちゃんには」

ごめんね、空那。