数回、首を振り

「どうしてほしい?」

見つめあう2人。

っておい!?恋人同士の会話じゃねぇ?

ここの2人は兄妹だし。

しかも紗輝ちゃんは病人だょ。

病人相手に俺様?

上から目線?

世那…頭オカシクなったか?

「飲みたいんでしょ?何か言ってくれないと飲ませてあげない。いいの?」

「飲みたい」

「じゃあ飲めば?」

何なんだ?この攻め方は…
紗輝ちゃん…泣きそうじゃんかょ!?

「世─」

「意地悪」

紗輝ちゃんと俺の発言が被り、世那に俺の発言を制止された。

「意地悪は紗輝ちゃん。みー君と空那には'飲ませて'って言ったのにぃ俺には言えないの?」

ん?

世那の嫉妬か?

グズッ…ふぇ…ひっ…

あぁ゙泣かしたぁ!

大粒の涙が溢れてんじゃん。

「のびたいぃ。喉がわいたぁ。早ぐ飲ませてぇ」

ふぇ…ひっく…

「泣かないの、素直に言えばいいんだからさっ」

流れ出る涙を世那が口で救い怪しげに紗輝ちゃんを見つめた。

俺の痛い視線を感じたのか
「空那、こっち見ないでね。そういう趣味ないっしょ?いくら相手が紗輝ちゃんでもさっ」

何て言いやがってきた。

たった1つしか違わないけど大人の魅力がある世那には敵わない。

ったく…

早く済ませてくれょ…

ってか年下に嫉妬してんな!

2人に背を向けブツブツそんな事を思っていたら様々な効果音と2人の甘い会話が聞こえてきた。

喉を鳴らす音。

飲み物の音。

時折、紗輝ちゃんが'もっとぉ'と甘く囁いているように聞こえてしまうのは…気のせいか?

「まだいる?」

「いい、ありがとう。美味しかった」

あぁ…やっと終わったか。
例え兄貴と言えど…見たくねぇ光景だな。

しかも…紗輝ちゃんとなんて。

「泣かせてゴメンね?」

「泣いて…ゴメンね?」

「紗輝ちゃんが謝る事なぁいの。俺もこうしたかったから。横になろっか?」

ん!?世那にしがみついてる!?

「独りは嫌。寝るまでで…いいから。も少し…ここにいて」

世那も紗輝ちゃんを優しく包み頭に頬擦りし始めた。
「はぁい、よく言えました。出てけって言われても居座る