超溺愛ブラコン妹の彼氏

けど後一歩のとこでお預けくらったし。紗輝、ごめんな?卒業させてやれなくて。好きな奴にヤってもらえ」

離れゆく手をガシッと掴んだ私。

「条二先輩。最後まで出来なかったけど…空那の事許していただけますか?」

またフッと笑い

「もぅ空那って言うかお前ら兄妹に手は出さねぇよ。笑えょ、紗輝」

って言うから出来る限りの笑顔を作り

「ありがとうございます。条二先輩も笑って下さい。心の傷は中々癒えないかもしれないけど笑っていて下さい」

って言った。

「廊下とかで私を見掛けたら声かけて下さい。私も条二先輩って叫びますから」
ははって笑われ'叫ばなくていいし'ってハニカンで言ってくれた。

途端目眩がし倒れかかった私を条二先輩が支えてくれた。

「紗輝!」

条二先輩の声に続き皆が私の元に駆け寄る足音が聞こえた。



☆美景

「先輩、いい加減、紗輝を返して下さい」

条二先輩の手から倒れた紗輝を奪った。

さっき拒まれた紗輝を頬ずりし

「紗輝が許しても俺はお前を許さねぇから!皆に羞恥さらされちまって。ん?」
紗輝の異変に気付いた。

オデコを触ると熱い。

「熱…紗輝、熱だ!郁斗、保健室へは行けるか!?」

「OKってお前まで俺を使うなょ!じゃあ鈴と深奈ここの片付け頼む。残りは2人のガード。俺と瑛汰は事情聴衆。皆、頼むぞ」

その声で皆持ち場へついた。

アイツは儚げに紗輝を見つめていたから一睨みして音楽室を後にした。

向かってる最中に昼休みのチャイムが鳴り数人の生徒に見られたがガードがしっかりしているから紗輝の事は見られていないと思う。
保健室につきベッドに紗輝を寝かしアイスノンなどを皆が用意した。

「うぅ…ん…」

「どした?紗輝?」

「萌…ちゃん…いる?」

聞き取りにくい紗輝の小さな声を拾い萌を側に行かせた。

「紗輝ちゃん、俺なら傍にいるょ」

今までにみた事がない優しい表情をし紗輝の手をとる萌。

「お弁当…食べ…てね。一緒に…食べられ…なくて…ごめんなさい。この…埋め合わせ…必ず…する…から。皆で…食べて?」

高熱の為かはぁはぁしながらも懸命に話す紗輝。

「うん、皆で食べるね。ゆっくり休んでね。