超溺愛ブラコン妹の彼氏

ふと周りの女の会話が聞こえた。

紗輝ちゃん遅いねぇ

教室に忘れ物取りに行ったんだょね?何忘れたんだろう?

ん?教室に忘れ物?1人でか?

気になりソイツらに話しかけた。

「紗輝は1人で行ったのか?」

「へっあぁうん。舞桜ちゃんが一緒に行くって言ってたけど、もぅ後数歩でここにつくってとこだったから1人で行くって」

そう聞くや否や舞桜の方へ顔を向けた。
戸惑いをみて俯いている。
紗輝が戻らない事に困惑してるってとこか…

でも紗輝が遅刻するなんて…トラブルった時以外ないょな?

って事は…

襲われた!?

アイツかあの時の!

拉致られた!?

1人になった隙を狙われたのか!

そう結論付けた俺はいきなり立ち上がり

「先生、具合悪いんで保健室行かせて下さい。あっイヤもらいます」

先生の返事を聞かずに飛び出した。

「はぁ!?保健室をもらう!?」

すっとぼけた事いい出す先生に爆笑する生徒。

「ちげーょ。具合悪いから保健室行くんだって。美景」

「おい、誰に向かっての口の聞き方だ?」

「だってさぁ先生がチンプンカンプンな事言うからじゃん」

「おぉそうだな。ってあれ?」

「美景ならもぅ行ったょ」
「全然具合なんて悪いように見えなかったが…。お前もいい加減言葉遣い直せょ?」

「あぁい。すみませぇん」

教室を出た俺は紗輝の携帯に電話をかけた。

留守電。

紗輝がサイレントにしとく訳ねぇかって自嘲気味に笑いが漏れた。

他に繋がりそうな奴を考えた。
が授業中だから電話かけても出る奴なんていねぇじゃん。

どうすりゃいいんだ!?

紗輝がピンチだって言うのに。

何にも出来ない自分に腹が立ち壁を思いっきり叩いた。

ん?

あっメールか!

それで取り合えずやってみっか、何人か捕まるだろ。
拉致られたのは間違いねぇから簡単にメールを作り、送る奴は紗輝の兄貴達と萌と実雷ぐらいか。

生徒会には知らせない方がいいな。

まぁ世那から知れ渡ったら仕方ねぇな。

これで取り合えず送信。

後は舞桜に…これと同じのを流すには重すぎるな。

'紗輝を教室にみてくる'でいいか。