超溺愛ブラコン妹の彼氏

「ふぅん。だからお前らは特定の彼女作らねぇのか…うん?で、何で1人足りないの?」

「あーそれはぁ─」

私が答えようとしたら…

数メートル後ろがやたらと騒がしい。

桃色学園の制服を着た子ばかり。

女の子達のキャーって声や男の子達の声も聞こえる。
群がりすぎて、どんな生徒がいるんだかわからなかったけど、こっちに来るにつれて騒ぎの元がみえてきた。

そのシルエットは2つ。

ズボンをはいている。

って…ん!?

空那?と…実雷先輩?

「何あの組合せ?」

「女がギャーすきゃ言うのはわかるけどぉってかわかりたくもないけどなぁ…何で男まで盛り上がってんだ?」

「アイツら男にもモテんのか?」

「空那はさぁわかるけどぉ隣のはぁ郁斗の幼馴染みだっけ?人気あんだぁ。転入仕立てで男にも?」

等と郁斗会長と瑛汰先輩のおかしな会話が繰り広げられていた。

その騒動の主の1人が手を振ってきた。

実雷先輩。

左右にスイングさせ周りの取り巻きは'誰に?'って感じで視線の先を求め物凄い数の目がこちらに向けられた。

もぅ1人の主は口パクで'紗輝ちゃん、さっきはごめんね'と動いていた。

空那だ。

郁斗会長と瑛汰先輩の目も私に向けられ…

私は向けられ来る視線の数に耐えられず世那の背に隠れた。

繋がれていた手を離し世那に後ろから抱きつき

「空那の口パクはわかったけどぉ実雷先輩が手を振ってるのって私に!?」

「だねぇ。だからさぁ紗輝ちゃんもっ逃げないでぇ手ぇ振りかえして空那に何か言ってあげたら?」

世那が顔を右に向け私に言った。

「いぃたいけどぉ皆こっち見てるからヤダ、言えない。皆にケンカしたのバレちゃうもん」

爆笑する3人。

「そんな事によりもぉ女どもはぁ世那に抱き付いてる事にも何か言ってるょ?」
と瑛汰先輩。

慌てて外そうとしたらガシッと掴まれ

「外さないで!紗輝ちゃんが怯む事ない。俺が守るから」

「本当?」

「俺を信じないで誰を信じるのぉ?」

「わかった」

世那カッコいい。

私の王子様だょ。

でもね…さっきから気になってるんだけど…男の子達の声って…私?