既に髪をいじられている私。

鏡をジィーと見つめ…

「どしたぁ?」

あれ?世那になってる…

「変身した?さっきは空那に見えたんだけど?」

「くくッ。紗輝ちゃん鏡にみいってないでメイクしたら?」

ね?と極上ウィンクをしてくれた。

「あっメっメイクだねっしなきゃだね…」

「紗輝ちゃんどしたぁ?朝からかみまくりぃ。寝ぼけてる?」

ははっとニコニコしながらも手はしっかりと動いている世那?

私もメイクしなきゃと気付き始める。

「紗輝ちゃん目覚ましかけ忘れた?」

ん?目覚まし…

消した覚えないなぁ

ってかセットし忘れ?

何で?

昨日の記憶を探りだし徐々に顔が赤くなってきた。

「ん?ドライヤー熱い?」
ブンブンと大きく首を振る私。

「おぉっとぅ動かない。じゃあ何で顔赤いの?」

慌てて両手を頬にあてる私。

を手はとめないの!と言ってメイクを再開させた。

「あっ私、昨日セットし忘れたみたい。鳴らなかったし起こしてもらっちゃったみたいだし?」

「だし?って…もしかして今まで寝ぼけてた!?だから紗輝ちゃんの言動おかしかったの!?」

「すみません…」

益々赤くなる私。

を鏡で見ながら大爆笑の世那。

「紗輝ちゃん最高!!」

鏡に空那の姿が見えた。

食い入るように鏡を見つめる空那。

「空那おはよう」

「さっきも会ったじゃん」
「へぇ?」

何だか空那の目付きが怖いんですけど…

「紗輝ちゃんエッチな夢でお目覚めだから寝ぼけてたみたいだょ?だからぁそんな怖い顔で見ないであげて?」

「洋服着替えてた時にいたの覚えてない?」

ガーン…

あの時いたのは空那だった…

世那が空那に変身する訳なぃよね…

鏡越しにいまだにガン見されてる私。