超溺愛ブラコン妹の彼氏

スポンジに洗剤をつけて食器を洗い始めたみー君。

「初めて来たんだからデェンとしてればいぃのに…」
「悪いから」

「みー君にも小さな優しさがあったんだ?」

「無駄口叩かないでお前もやれょ。たまってんぞ?」
黙々と手を動かしていたみー君。

「ごめんね、みー君。ねぇ何で名前呼んでくれないの?紗輝って名前嫌い?付き合ってた子の名前とか?嫌なイメージあるの?」

何も答えてもくれない。

水を流す音。

食器がふれ合う音。

コーヒーが落ちる音。

スリッパの音。

「答えてもくれないんだね。決めた!無視する!名前呼んでくれなきゃ無視だから!」

と隣にいるみー君に吐き捨てた。

微妙に肩が揺れている気がする…

「もしかして笑ってるの?」

「いけない?ってか無視ってガキみてぇ。ククッ」

「何よガキって!名前呼んでくれないのがいけないんじゃん!」

まだ笑ってるみー君。

っとに腹のたつ男。

何て会話してたら終わった洗い物。

ムカつくけどお礼言わなきゃ。

「ありがとっ。手伝ってもらえたから早く終わったね。助かりました!!洗い物してるの?戸惑いなく始めたでしょ?」

「これぐらいはな。後、簡単な料理ぐらいは?」

疑問系で終わる料理って何なんだ??って思ってたら
「ねぇトイレ貸してもらえる?」

とみー君。

「あっごめんね。教えてなかったね。こっち来て?」
私が先導した。

「ここね。でスイッチはここ。で、こっちがお風呂。あはっ別にお風呂はいぃか。じゃあ先に戻るね?」

「ありがとう。紗輝」

と中に入るみー君。

ん!?今、最後の方何て??
紗輝って聞いた気が…

まさかね…

呼んでくれるはずないょね…

「まだいる?紗輝?」

「あはっやっぱ呼んでくれてたんだ。私の顔を見て言って欲しかったな。残念…」