小春が浅木に肩を貸して立ち上がった。
二人は欄干から外をみると、街の火の手は、鎮火の煙りになっていた。
背後で倒れたままでも氷雨が床に刺さったくないを抜いて浅木に投げつけようとした。
小春はとっさにくないを氷雨に投げた。
くないは体を起こしかけている氷雨の左胸に刺さった。
氷雨は口から血を吐いた。
「これでいいんだ」
氷雨が苦しい息で言った。
小春は氷雨を抱きかかえた。
「お前の言う。幸せもありかもしれないと思うこともあった。だが、お庭番の頭として一族が苦しんでいるのはどうしても、我慢できなかった。小春、爺様と街を頼んだぞ」
空を掴んだ手を小春は握った。
「兄さん。帰ろう。また、庭で」
突然、塔の周りが騒がしくなった。
表を見ると警官隊が塔を取り囲んでいた。
「どうやらこれまでだな、これが俺の最後だ」
氷雨は小春を突き放した。
そして、体に巻いてある火薬をみせた。
氷雨はマッチに火をつけた。
浅木は小春をつかんだ。
そして、二人は下に降りる階段に向かった。
二人は欄干から外をみると、街の火の手は、鎮火の煙りになっていた。
背後で倒れたままでも氷雨が床に刺さったくないを抜いて浅木に投げつけようとした。
小春はとっさにくないを氷雨に投げた。
くないは体を起こしかけている氷雨の左胸に刺さった。
氷雨は口から血を吐いた。
「これでいいんだ」
氷雨が苦しい息で言った。
小春は氷雨を抱きかかえた。
「お前の言う。幸せもありかもしれないと思うこともあった。だが、お庭番の頭として一族が苦しんでいるのはどうしても、我慢できなかった。小春、爺様と街を頼んだぞ」
空を掴んだ手を小春は握った。
「兄さん。帰ろう。また、庭で」
突然、塔の周りが騒がしくなった。
表を見ると警官隊が塔を取り囲んでいた。
「どうやらこれまでだな、これが俺の最後だ」
氷雨は小春を突き放した。
そして、体に巻いてある火薬をみせた。
氷雨はマッチに火をつけた。
浅木は小春をつかんだ。
そして、二人は下に降りる階段に向かった。


