維新なんてクソ食らえ後始末が大変でしょ。浅木の巻

氷雨が瞬歩で浅木の間合いに入った。

浅木は瞬歩で後ろに飛んでかわした。

「ほう。瞬歩を使えるのか」

「なんとかな」

「では、これはどうかな」

氷雨が瞬歩で間合いに入ってきた。また、浅木は瞬歩で後ろに飛んだ。かわせたかに見えたが、氷雨は着地と同時に瞬歩を出した。

浅木の顔の前に氷室の顔があった。

「あまいな」

氷室の小太刀が下から上に走った。

浅木は体をねじってかわそうとしたが、吹っ飛ばされた。

氷雨は倒れている浅木を見下した。

「瞬歩は連続して使うこともできるんだよ」

浅木は木刀を杖代わりに立ち上がった。

「まだやるのかい。馬鹿なひとだね」

氷雨は一息つくと腰を落とした。

気合いとともに氷雨が瞬歩を繰り出し浅木に詰め寄った。

「これならどうだ。空中では避けられまい」

浅木はくないを投げた。

「無駄、無駄」

氷室はそう叫びながら、体を空中でよじりながらくないをよけて浅木に近づいてきた。

浅木は瞬歩で横に飛んだ。そして、くないを投げた。

氷雨は空中で巧みにくないをよけた。

二人は、同じことを何度も繰り返しながら、浅木を追いかけてきた。

氷雨も瞬歩を使い続けることは無理らしく一息入れた。

「なるほど、くないで時間稼ぎか。おまえの瞬歩は私より遅いからな」

「ばれたか」

氷雨の息が整っていた。

氷雨は瞬歩で浅木の間合いに入った。浅木はそれにあわせて床板を思い切り蹴った。

床板が跳ね上がり、折れた部分が氷雨の足に突き刺さった。