数時間後、道場に、浅木と重爺がいた。


重爺は浅木に瞬歩の実演をしてみせた。


「この前の小春のよりは速いじゃろう。

だが、氷雨のはこれより速いはずじゃ」


重爺は1回の演武だけで足関節にかなり負担がかかるのか、息が乱してしまっていた。


浅木は、その技が今自分の体では無理だと思い、無間抜刀を見せて欲しいと頼んだ。


重爺は浅木を傍らに呼んでから、彼に体を密着させた。


そして、そのまま、刀を抜く予備動作もせず喉元に小太刀を突きつけた。