いつも浅木は朝めしを使用人たちと食べるのが日課だった。

しかし、今朝は小春の姿がなかった。


おとといの夜に小春と会話していたサキの姿も見えない。


浅木は重爺の居間に向かった。


重爺の居間の少し前から、サキが小春が居なくなったことを謝る声が聞こえてきた。


浅木はかまわず重爺の居間に入った。


「小春さんがいなくなったって本当ですか?」


「今、探させておるから心配はない。とにかく、浅木くんは良庵先生の所に行きなさい」


重爺は言った。


「しかし」


「何かあれば、知らせる」


と、続けて言った。

浅木は良庵の診療所に行くときに店の入り口には「臨時休業」の看板がかけてあった。