「別れよ…」

私は恐る恐るそう言った。

「なんで?」

真顔のまま彼は私の腕を掴んできた。

「疲れたの…」

彼は嫌なことがあるとすぐに殴るような人で…私は殴られることを覚悟していた。

「わかった」

殴られないの……?

良かった…。

そんなことを思っていると、いきなり彼の拳が私の顔面に飛んできた。

――ドスッ!

酷い音が、夜の静かな公園に響きわたった。

「きゃ!」

「…俺にはさ、お前しかいないんだよ」

「もう無理…」

彼は逃げようとしたあたしの腕を掴んだ。

「離して…」