忘れはしない

フェンスの向こうには、俺たちの街が広がっている。

フェンスに寄りかかる。

いつもと変わらない日常。でも、ちょっと違う風景。

ここからの景色は、ホントに心を和ませてくれる。

「優希の…、バカヤロウ」

呟く。でも、一向に心は軽くならない。




「誰がバカヤロウ、なの?」

「うおっ!?」

いきなり、耳元で声がした。

驚きのあまりバランスを崩し、その場に勢いよく尻餅をつく。