あの後
あたしと大輔は長い列に戻らず
鐘の音は鳴らす事は出来なかった。



いや、正確には
あたしがかたくなに拒んだのだ。

神様なんかに
お願い事を頼もうなんて思えなくて。



手を合わせるのが嫌だった。




だけど大輔は
おみくじだけは引こう!


なんて言うから
渋々長い列に並んだ。





大凶だと想像してたあたしに
下された判決は



『大吉』




恋愛のところには



『見返りを求めるな。』と書かれていた。






バカバカしい。


どうせこんなおみくじ
誰も信じちゃいない。



だけどあたし達は知りたいんだ。

この一年が、キラキラと輝く素敵な年になるか。


はたまたその逆か。



こんな紙切れ一枚に
人々は自分の心を惑わされる。



なんてちっぽけな生き物なんだろう。