嫌な事とは
見事に重なるもので


張り詰めた空気に
水を挿すように聞こえた声。




「海音!何してんだよ!遅いから心配すんだろ?」


「大輔……。」



息を切らし
走り寄って来た恋人に
あたしは更に苦しくなった。




「あれ?大輔くんじゃん!そっかぁ、海音達もデートだったんだ!」

「あ…香苗ちゃん?」

「そう!久し振りだね、大輔くんに会うの。」



あたしとそうくんの間に流れるきまづさとは裏腹に
香苗と大輔は久々の再会に微笑み合ってる。






吐き気がする。


何故、年明け早々
こんな事になるんだろ。




きっと今
おみくじを引いたら



あたしは
『大凶』を引くに違いない。