「海音、聞いてる?」

腕に絡みついて来た香苗にあたしは現実に引き戻された。



「あ、ごめん…」

「も~っ、何考えてたのよぉ!」


あははと笑い
あたしは目を逸した。




言える訳ないじゃない。


あなたの彼
そうくんの事を考えてただなんて。





「で?何?」


香苗の腕を自然に振り払い
あたしは本題に戻した。



そうくんに触れた手で触られたくなくて

あたしは出来る限り香苗と距離を置く。




親友なのに
こんなふうに考えるのはおかしいけど。




「あ、あのね!こっちとこっち、どっちがいいかな?」


無邪気な笑顔を向ける香苗の両手には
キラキラと輝く二つのネックレス。



あぁ。
これだから嫌なんだ。