「何これ…。」

「これじゃお参り出来るのは朝方になるな。」



大輔と二人
電車を乗り継いで辿り着いた神社には

まるでありんこの列のように
延々と続く人々の群れ。



もう夜中の2時だというのに
人の列は先が見えない程連なっていた。




「どーする?」

「……ここまで来たのにお参りしないなんて神様に失礼でしょ。」


あたしの言葉に
大輔は納得したように

そうだな。と言ってあたしの手を握る。





神様なんて
いるはずないのに。



幸せになりたくて
少しでもいい事があるようにと

人々は手を合わせる。



心のどこかで皆
神様という架空の存在を



否定してるくせに。