ゴーン……

『明けましておめでとうございます!』



壮大な鐘の音が
ブラウン管を通して響き渡る。

年明け早々
小さなテレビの中で忙しく動き回るアナウンサーは
何だか可哀相に見えた。




「用意出来た?」

「ん~もうちょいっ。」


鏡相手ににらめっこするあたしに

「別に化粧なんかしなくていいのに。ただ初詣行くだけだろ?」

笑いながらそう言って
机におしるこを置いた大輔が隣に座った。



「誰に会うかわからないじゃない。」

「すっぴんならお前だってわからないんじゃね?」

「ひどいっ!!」


あははと笑う大輔に
平手打ちでビンタを投げる。




今日も
あたしの隣には


大輔が居る。