だから正直驚いた。 香苗から聞いたノロケ話で作られたあたしの中のイメージを 彼は見事なまでに裏切ってくれた。 心臓が 痛い。 いや、痛いというよりも 苦しくなった。 愛おしそうに香苗を見つめる優しい瞳 風になびく栗色の髪の毛 声も 香りも 目線も しなやかで華奢な指が触れるものですら 全てに あたしは嫉妬したんだ。 自分の中にこんなにも醜い感情があったなんて 初めて知った、高校2年を迎えた春 柳 蒼真 あたしの、欲しい人。