だけど今は違う。

この携帯には
秘密が隠されている。

うかうか携帯を置いておく事も出来ない。




気を付けなくちゃ。



そしてあたしは手慣れた手つきでメールを打ち込んだ。



To:柳 蒼真

あたしは大丈夫だよ。そうくん授業中寝て先生に怒られないようにね。




他愛もないメール。


だけど幸せだった。




不思議と香苗に罪悪感はなくて
あたしは隠れてそうくんと連絡を取り合う。


好き。
その気持ちが増えていくにつれて
罪悪感も膨れて行くものだと思っていた。


だけどそれは違った。



好きが増えるほど
あたしは周りが見えなくなっていって


罪悪感。
そんな物すら感じる事が出来なくなってた。



もう後戻りなど出来ないところまで

あたしは歩いて来てしまったんだ。




夢の途中の

二つの別れ道に。