え―――…?


突然名前を聞かれたあたしは止まった涙を拭いながら
二人を交互に見つめて答えた。



「そうですけど…。」


そう呟くと

「やっぱり!ずっと探してたんです!」

二人は喜んで手を叩き合う。




何の事だかさっぱりわからないあたしに
男の人が

「これ、渡してくれって頼まれて。」

と小さな箱をあたしに差し出した。



「……?

あ、あの……。」


戸惑うあたしに
隣の彼女が笑った。



「それ、背の高い男の人が渡してって。

渡せばわかるって言ってました。」



え………?


「じゃあ僕達はこれで。」


それだけ伝えると
二人はサーフボードを手に
海の中へと消える。




あたしの手には
小さな箱が握られてた。