「はぁ~っっ!超疲れたぁ~。」


夏の夕暮れに
雅美の声が響き渡る。



「でも楽しかったね!」

「うん、また行こうね!」



二人の言葉に
あたしも笑顔がこぼれる。


思う存分楽しんで日に焼けた肌が
あたし達三人の思い出として刻まれた。




「ねぇ、ご飯食べよ!海音時間ある?」

「うん、大丈夫。」



まだ少しだけ濡れた髪の毛を翻して
あたし達は街へとぶらつき始めた。


こうゆう時間を過ごしていると
自分達が受験生だという事も忘れてしまう。



こんなに楽しい日が続けば
あの出来事も
全て、いい思い出だったと思えるのかな。




そんな事を考えてたその時


香織の足がぴたりと止まった。




「ねぇ、あれ……。」