どうしてこんな事になったんだろう。

緊張して
喉の奥がカラカラだ。



「何か食べる?」

「う、ううん!大丈夫!」

小さな喫茶店に
不釣り合いな制服姿のあたしとそうくん。


ただ目の前にあったから入っただけで
わざわざここを選んだ訳じゃない。

かと言ってファミレスは誰に合うかもわからないし
そうくんがここを選んだのは妥当だろう。




香苗との事を相談されるんだ。

悲しいと思う反面
今のこの状況が嬉しくてたまらないのも嘘ではない。




「お待たせ致しました。」


カチャンと上品な音が鳴り
あたしの目の前に置かれた紅茶。


慌ててそうくんに視線を向けると

「俺の奢り。」
そう言って笑った。