人間って怖い。


真実の中に嘘を織り交ぜて
あたかもそれが真実であるかのように噂を広めてく。


そして人はみんな騙されていくんだ。




ありもしない
嘘の作り話に。






階段を降りて
あたしは一目散に昇降口を目指す。


ただ一つの思いを抱えながら。





走る先に
昇降口が見えた。


その時―――…




ドンッ!!!

「きゃ…っ!」



突然開いた扉に
出て来た人とぶつかってしまった。



「いたた…。」

思いっ切りぶつかったあたしは
鼻を押さえながら恐る恐る顔を上げた。




「沖村。お前、学校来たのか。」

「…浦吉!!」


それは、相も変わらずジャージ姿の浦吉だった。