どうしよう。
まさか会えるなんて思ってなかったから。



あたし、変じゃないかな?



鏡を見て確認したいけれどそんな事は出来ない。


確認したところで
そうくんの心は香苗の物なのに。





「け、喧嘩、したんだって?」

その場を取り繕うように発した言葉に
あたしは後悔した。



「…ん。香苗から聞いたんだ?」

悲しそうに眉を下げるそうくんに
心が痛んだ。



そんな顔させたくて言ったんじゃないのにな…。




「香苗、何か言ってた?」


走り過ぎる車の音に
そうくんの声がかき消されてしまう。



そんな様子に

「海音ちゃん、まだ時間大丈夫?」

と少し大きな声で尋ねられた。


ドクンと心臓が跳ねる。




「相談、聞いてくんない?」