夜の公園に
二つの影が並ぶ。



冷たい風が
熱くなった体に心地よく流れてゆく。






「話って何?」


香苗が月明りに背を向けたままあたしに問い掛ける。



あたしはベンチに腰を降ろして香苗を見上げた。






『香苗?どうかした?』

『ううん。ちょっと出て来る。すぐ帰るから。』





あの声は
やっぱり、そうくんだった。




「……何で…。」

「…何で?」


あたしの言葉に香苗が反応を示す。





「何でそうちゃんがうちに居るか、それが聞きたいの?」


それは
本当に冷たくて
棘のある言い方で。



あたしは香苗に言い返す事が出来ない。





「言っておくけどあたし悪いなんて思ってないから。」

「……え…?」