金木犀が香る校庭 見上げた空には 飛行機雲が一筋の線を描いてた。 少し肌寒い風に あたしはセーターの袖を伸ばして足早に歩く。 正直、気が重い。 秋の空は変わりやすくてあたしの気持ちを惑わす。 今は晴れているこの太陽も どうせ夕方には顔を隠して 冷たい雨を降らすに違いない。 秋なんて嫌いだ。 鼻をつくこの金木犀の香りも 揺れる あたしの心も みんな消えてしまえばいいのに――…