あたしは
何を守りたかったんだろう。


結局は自分が一番可愛くて
自分が一番、傷付きたくなかっただけだった。




香苗がそうくんに別れを告げられた時も


傷付いてるフリして
香苗の言葉をただ流して聞いていた。






そうくんが欲しくて


あたしは香苗を裏切っていたの。






これは
相応しい報いなんだ。






「香苗…。」


少しずつ
ゆっくり香苗へと歩み寄るそうくんの背中を見つめる。




「寄らないで!」

「香苗、聞いてくれ。」

「嫌っ!何も聞きたくない!!」




まるで韓流映画みたいにあたしには他人事に感じてて。


香苗の顔は
もうあたしの知ってる可愛い香苗じゃなかった。



怒りと悲しみ。


織り混ざる感情が
この空間を包んでいた。