「海音!!」

「…っ離して!」



突然の大声に
電柱に停まっていた小鳥が空へと飛び立つ。



「ちゃんと話しよう?」

「あたしはもう話す事なんかない!」



あたしは
そうくんを幸せには出来ない。


あたしじゃダメなの。



だから――…








「……そうちゃん…?」



冷たい風が
あたしとそうくんの間を吹き抜ける。



それはまるで
あたしに全ての罪が降り注ぐように。






「何で…そうちゃんが海音と一緒に居るの!?」





とうとう
あたしに罰が下ったんだと思った。




「どうして!?」


「…香苗――…。」






香苗は
あたしにとって
唯一親友と呼べる存在。




大切な、人。