浦吉の顔は真剣そのもので
適当に答えるのは許されない。


わかってるからこそ
あたしはすごく悩んだ。





あたしは一体、何故そうくんを?


香苗が彼氏出来たって言って
心配だったあたしは紹介してもらった。

だけどそうくんは
あたしの想像とは全く違っていて……。



「……意外、だったの。」

「意外?」

「…うん。だって香苗が選ぶ人はいつもダメ男だったから…。」



そう、だけどそうくんは違った。
ワガママな香苗を
そうくんなりに愛してたと思う。




「ふぅん。」

自分で聞いてきたくせに
浦吉は興味なさそうに天井を見た。



「何よ、真剣に答えたのに。」

「あぁ、悪い。」


頭を掻いた浦吉があたしに視線を向けた。



そして

「だけどそれは外れだ、俺の中で。」

と人差し指を立てた。