こうでもしなきゃ
あたしはあなたを突き放せない。



わかって。

どうか、わかって。






「ちょっと、遊んでみただけ。親友の彼氏。そんな危険な恋に興味があっただけよ。」


「……本気で言ってんのか?」



あたしの言葉に
そうくんの顔が険しくなる。



それでいい。

どうか、嫌いになって。




こんなあたしを
最低だと笑って構わないから。






「本気だよ。


じゃなかったら、昨日の今日でこんな事言わない。」


「……嘘、だろ?」



掴んでいた手を
あたしは思い切り振り払った。




「嘘じゃない。」



嘘をつくのは
あたしの唯一の得意技。




あたしの演技に
騙されて。