「…げ。」


食堂に着いたあたしと香苗は
入口で立ち尽くしてしまった。



ごった返す学生に
食堂のおばちゃん達が忙しく動き回ってる。



「どうする…?」

「…ん~、並ぶしかないでしょ!」


そう言った香苗は
長く続く列の最後尾に並び始めた。



そしてやっと順番の回って来た時には
食券はほとんどが売り切れ状態。



「もぉ、海音が寝てるから~!」

「ごめん…。」



仕方なく
あたし達は食べたかった中華丼を諦めて
カレーライスのボタンを押した。






何か食欲ないな…。


学生で溢れる食堂は
席もほとんどが埋まっていて
ようやく見つけた二つの空席にあたし達はトレーを置いた。




「よかったね、座れて。」


「うん。」


香苗に続くように
あたしもイスに腰を掛けた。