だけどあたしが眠れないのは
そんな理由じゃない。



工事の音
車の音


そんな物
今のあたしには聞こえないくらい

彼に気持ちが向かっているんだ。




そうくんに――…





『ところで、次いつ会える?』


そんなあたしとは裏腹に大輔は嬉しそうに尋ねてくる



「…わかんない。バイトもあるし…。」


こうやってありもしない用事をつけては
大輔に嘘を付くあたし。


いや、バイトは本当にあるんだ。

だけど
大輔に会いたくない。





罪悪感が増えていくのが怖くて


大輔には



会いたくない。







本当はどうするべきか。



わかっていても


あたしは逃げてるんだ。