「海音、英語の宿題見せてっ!」

「またぁ?ちゃんとやって来なよねぇ。」




あれから3日後。
香苗は元気に登校して来た。


明日から学校来ればいいのに。
そう言ったあたしに


「そしたら仮病だってバレちゃうじゃない!」

なんて言うから
二人で顔を見合わせて笑った。





頬杖をつき
髪の毛を人差し指に絡みつける香苗。


「病み上がりなんだもーん。」

「仮病でしょ!」


あたしは英語のノートを香苗の頭に置いた。


「ありがとっ!やっぱ海音大好き~。」

「調子乗るな。」




以前と変わらない風景。



以前と変わらない、あたし達。






唯一変わった事。




あたしの携帯から


『柳 蒼真』が削除された事。