4時限目までの授業が終わり、いつものように亜由と一緒に昼ご飯を食べていた。
ただのコンビニのおにぎりだが、友達と食べるとこんなにも美味しく感じるのかと思う。

あと1時間で授業もおわるため二人の話もはずんでいた。


「さて…ごちそうさま!」
「あと1時間がんばれば帰れる~!」
「そうだねぇっ。がんばろがんばろ!」


昼ご飯を終えて、亜由と昨日のドラマの話をしながらトイレへと向かった。




麻矢たちが廊下を歩いていると、前から3人くらいの男子が楽しそうに笑って歩いてきた。

『あ…同い年だ。初めて見る顔だなぁ…』

麻矢はそんなことを思いながら男子を見ていた。





―そのなかの一人…。

背が高くてぼうず頭。
ちょっと怖そうな印象だけど、低くて優しそうな声。



それが相沢祐樹との出会いでした。

その時はまだ二人とも、これから起こることなんて考えてもなかったよね。
ただなんとなく廊下ですれ違っただけ。


だけどね、あれが私たちの始まりだったと思うんだ。


すごく些細なことでありふれた場面かもしれないけど、
私たちにとってはあの日からすべてが始まったんだと思うよ…――