だけど...


ガシッ



「へ?...そ...宙?」



「叶井だろ?叶愛…行くなよ。」


あたしの腕を強く握る宙。
強すぎて...少し痛いくらい。

…どうして?

宙...?やっぱり今日おかしいよ...。


いつもの宙じゃないもん。



「な、なんで?」



「―――――っ俺は...お前を渡したくない。...あいつにだけは。」



どういうこと?
宙ってなんでそんなに星桜が嫌いなの?



いつも宙の事、わかってるつもりだったのに...

今はぜんぜん気持ち…わかんないよ。





「宙...なんで星桜がそんなに嫌いなの?確かにあいつは俺様だし裏表性格あるし、嫌な奴だけど...いいところ…たくさんあるよ?」


なんであたし...星桜なんかかばってるんだろ。
でもあいつのいいところもわかってほしいって...



心から...思ったんだ―――。




「だからッッ!なんであいつをかばうんだよっ!叶愛だって...嫌いだったんだろ!!??」




「―――ッた!」



腕...痛いよ。宙...っ。



どうして?なんで?




「っごめん…。だけど、俺…これだけは伝えたいから。」