こんな笑顔もできるんじゃん。
どうしていつもこのままでいないんだろ?
キーンコーンカーンコーン
チャイム…?
授業終わっちゃってんじゃん!
そんな時間経ってたんだ。
「んぢゃ―叶愛、教室戻るか。」
そういってやっとあたしを
離してくれた星桜。
「...ぁ。あたしはいい。あとで行くよ。
星桜のファンの女子怖いし。」
って...まっ...てよ?
いつのまにあたしの名前呼んでたの!?
「あっそ。んぢゃまたな。叶愛ちゃん。」
帰って行った星桜の後ろ姿にあたしは叫んだ。
「ちょッ!あたしはッッ!アンタ..ッ星桜ッの名前は呼ぶって言っちゃったけど!」
それはあたしの失敗。
流されちゃった、みたいな…。
でも...うん!
なんであたしが呼び捨てにされなきゃいけないのッ!
「あたしを呼び捨てしてとか、言ってない―ッ!!」
星桜はおもいっきりシカト。
やっぱりムカつくッ!
廊下にあたしの声が、さみしく響いた―――。