「そう…だよ。」



あたし、逃げようとしてた。
聞きたいとか言って強がって
結局怖い気持ちのほうが多くて
聞くのをやめようとした。



「あたし勇気を出さなきゃ。」



いつまでも弱い気持ちのままじゃ駄目だ。




聞こう。




お母さんに。




大丈夫。どんな答えでも冷静でいられる。




大丈夫…。




そう思ってるのになんでだろう?



手が震えて止まらないの…。




カタカタを震える手に重なる手。
それと同時に聞こえる星桜の優しい声。


「大丈夫だ。」


何が根拠で言ってるのかわかんないけど
すごく安心する。


星桜が言ってるから大丈夫な気する。







「…一緒に行ってやる。」



「え――――?」



「お前と一緒に本当の事を受け止める。」



「でも・・・」



「お願いだ。行かせてくれ。」



星桜…おかしい。



星桜があたしに頼むなんて…



不謹慎ながらもあたしは返事よりそっちに頭がいっていた。