「宙・・・・。」




「でも…」







「星桜の事は、俺は許せない。」



え・・・?



「宙…?」


宙は拳をきつく握り締めて、
力を込めていった。


「たぶん一生許せないと思う。
叶愛に一生の心の傷を作ったのが
あいつじゃなくても、
それに協力したのは事実だから。」



「でもあたし、星桜とは
昔みたいに仲良くしてほし…」



「だけど」



「?」



「最初はあいつが嫌い…心の底からそう思った。

大嫌いで顔も見たくなかった。
だいたいムカつくし。
なんで叶愛をおいてったんだって思ってた。」



・・・

そっか
宙は、ずっとあたしを見ててくれて
守ってくれてたんだね。
この学校に来た時も、
星桜の事嫌いだって言ってた理由がわかったよ。



「でも俺が思ってたより
星桜は叶愛を大切にしてたんだよな。
俺があいつを嫌いにならないくらいに。

叶愛がいじめられてることも
俺より星桜のほうが先に気付いたってのも
正直悔しかったしな。」



宙は少し悲しそうな顔をして
あたしに言った。




「俺…思ったんだよ。

許せないと嫌いって違うんだなって。」



「違う?」



「うん。
星桜は一生許さない。
だけど前と違って
嫌いとは思ってない。」



「うん。」



「むしろ今は
叶愛を笑顔にさせてるし
嫌いなんて心にもないんだよ。」



「うん。」



「まあ、叶愛を笑顔にさせてるのが、
星桜って言うのはムカつくけどなー」



「うん。」