甘味処

「お前…ここ来たくないんじゃねーの?」


そう…あたしが星桜を連れてきたのは動物園...しかも、
愛司があたしを犯そうとした動物園。
あのころと一つも変わってないね...ここは。


「そうだよ。来たくなかった。」


そう言うとあたしはベンチに座った。
星桜もしぶしぶ座ってくれた。



「じゃあ、なんで俺をここに連れてきたんだよ。俺もう叶愛に興味ないって言ったよな。」




...そうだね。あたしの事興味ないかもしんないけど、
親友でも幼馴染でもなんでもないかもしれないけど、


あたしは、星桜を思い出したから、


星桜がどうして愛司に手を貸したかはわかんないけど、
責めるとかそういう気持ちは一つもないの。




あたしは星桜の瞳をまっすぐ向いてニッコリと微笑んだ。



「星桜...おかえり。」



この言葉を言いたかっただけ。



この場所に来ることで星桜に、罪悪感を与えないようにしたいだけ。



あたし、ちっさい時いっぱい星桜にかばってもらったからね。



どうしても...星桜を怒るなんてできないんだぁ。



星桜はいきなり下を向いてだまってしまった。

やっぱり…この場所はやめといた方が良かったのかなぁ...



「星桜!もういいよ!それだけ!あたしは、ほっといてもらって結構なんで!用事あるんだよね??帰っていぃ.....!!!」



言葉が出なかった。
ううん。驚いて口が動かなかったんだ。




星桜が...あたしを抱きしめていたから...