甘味処

「俺も滑る...」



幼稚園児の身長からしたらかなり高い滑り台。
高いところが大の苦手の星桜だが、
スタスタと歩いて滑り台の中間ところまできた。



「星桜…大丈夫?無理しないでいいよ…?」


下から叶愛が星桜に声をかける。



「いけるし。楽勝...」



スーと滑る星桜。
滑ったあとは叶愛が駆け寄って星桜の背中をさすっていた。



その光景を宙は悔しそうに見ていた。





いちお楽しい暮らしを送っていた叶愛達―――






だが



それから2年後―






「「星桜が引っ越し??」」




「ええ。残念だけど…叶愛達に言ってもわからないと思うけど、星桜くんのところって実はすごい名家でね。おばあさまの方が星桜くんのしつけに厳しいらしいの。
星桜くんは塾も行ってて、まだ7歳なのにすっごく頭いいでしょ?
だから、外国で学ばせるらしいのよ。」




「外国ってっ!おばさん!星桜は行くって言ってるの??」



「嫌だよぉ…星桜いなくなるとやだッ!」



「ぁ!でも...お別れ遠足ってことで遊園地行きましょ?叶井家と一緒に!」